ウスバハギとは
ウスバハギはフグ目カワハギ科に属する海水魚。最大で1メートル近くにもなるカワハギの仲間です。地磯や波止でフカセ釣りをしていると撒き餌に寄ってくることも多く、ラインを噛み切ってしまうこともあるので磯釣り師には嫌われがちな魚です。
生息域・分布と釣れる時期
ウスバハギは比較的暖かい海水温を好み、日本だけでなく全世界に広く分布しています。暖流の影響を受けるようなところでよく見られ、旬は秋から冬となっています。お店では旬でも入荷量が多いので、比較的安めの価格で買うことが出来ます。
ウスバハギの特徴
体がとても薄いことが特徴のウスバハギ。その薄さがの名前の由来にもなっており、別名で「ハゴイタ(羽子板)」とも呼ばれたりします。全体的に灰色掛かった体色の個体が多いですが、中には斑紋がある個体も居ます。
生態・性質
ウスバハギは肉食で、甲殻類からゴカイや貝、さらにはクラゲまで食べてしまう魚です。産卵期は夏とされていて、孵化した稚魚は漂流物に付いて大きくなります。成長するにしたがって群れを作るようになり、フカセ釣りの撒き餌に寄ってくる時も群れを成していることが多い魚です。
ウスバハギって毒を持ってる?
ウスバハギは暖かい海域を好むため、シガテラ毒を有する個体もあるようです。大型になればなるほど注意が必要です。ここではシガテラ毒についてご紹介します。
シガテラ毒とは
シガテラ毒とは暖かい海に生息するプランクトンが持つ毒素を魚が食べることで濃縮されて食中毒を起こすものです。発症すると消化器系や神経系に悪影響を与えます。過熱をしてもシガテラ毒は分解されないので注意が必要です。
▼シガテラ毒についてこちらの記事で解説しています。
ウスバハギの肝醤油は絶品?
ウスバハギは見た目と違いとても美味しい魚で、血合いがほとんど無い白身が特徴です。旬は秋から冬となっており、特に肝はカワハギに並ぶともいわれる程。ここではウスバハギの調理法をご紹介します。
刺身
ウスバハギの本来持つ味を楽しめるのが刺身。肝も美味しいので、薄造りにして肝醤油で食べるのがおすすめです。
ちり鍋
中骨などで出汁を取って美味しく身を食べることが出来るのがちり鍋。他の野菜や豆腐と一緒に煮て食べてみましょう。また、肝を溶いて中骨などのあらと併せて煮た味噌汁もおすすめです。
煮付け
ウスバハギは火を通しても硬くならないので煮付けで食べるのもおすすめです。身にほのかな甘みがあり美味しく食べることが出来ます。
ウスバハギの釣り方
ウスバハギを狙うには船釣りで狙うよりも、磯でのフカセ釣りや、防波堤からの遠投カゴ釣りがおすすめです。大型がヒットする可能性が高いので、それに合わせたタックルを準備して狙ってみましょう。釣り方や仕掛けの詳細は下記の記事をご参照ください。
▼磯釣り入門!必要な道具はこちら!
▼フカセ釣りの釣り方はこちら!
▼遠投カゴ釣りの基礎知識はこちら!
エサ
ウスバハギは肉食であるため、釣具店で取り扱っているオキアミを始め、ダンゴエサや鶏肉を細く切ったものをエサにして狙うことが出来ます。撒き餌はアミエビを中心に魚粉の入った集魚剤やパン粉を混ぜて使うとよいでしょう。
ウスバハギの釣りシーズン
4~12月までの長い期間狙うことが出来るウスバハギ。冬の寒い時期を避け、比較的水温が高めの時期に狙うのがおすすめです。狙うときのタナは2~3ヒロ(3~4.5メートル)を基準に釣ってみてください。
ウスバハギを旬に味わおう!
秋から冬の旬には非常に味が良くなるウスバハギ。中にはシガテラ毒を持つ個体も居て外道扱いされることも多いですが、釣れた時には持ち帰ってその味を味わってみてほしい魚です。