アナジャコの生態
アナジャコは泥の干潟に生息するエビ類の一種で、名前はシャコとついていますがシャコの仲間ではありません。
サイズにもよりますが、泥底に数センチ程度の巣穴を掘って生息しており、アナジャコ同士巣穴を共生しないため、この習性を利用して釣りをします。
アナジャコの生息域
泥質の底に巣穴をほって生息をするアナジャコは、主に太平洋側の日本全国の海に生息しています。
海水、もしくは汽水域に生息しており、プランクトンを食べていることから、濁った水でも多く生息しており、都市型河川の河口などにも多く生息しています。
アナジャコの採り方
アナジャコは、巣穴に入ってくる異物や侵入者を押し出して排除する習性がありますので、その習性を利用して採取します。
代表的な獲り方でいえば書道などで用いる筆を使用した筆釣りと、アナジャコの友釣りですが、今回は筆釣りの方法をご紹介します。
アナジャコ採りのコツ①
アナジャコを採るコツは、まずは巣穴を見つける事です。直径が2~3センチほどの巣穴が集中している所を見つけて、見つかったらジョレン等で表面の泥を数センチ削り取ります。削り取ると多くの巣穴が出てくるはずですので、その中に筆を一本一本15~20センチほど差し込んでいきます。差し込んだ筆をアナジャコが押し出してきますので、押し出すスピードと同調させるように引き抜き、巣穴の外まで出てきたら捕まえます。
アナジャコ採りのコツ②
アナジャコ釣りは、干潟の潮が引いて干上がっているときにできる釣りですが、実はタイミングと場所が非常に重要です。狙い目のタイミングは上げ潮時。上がってくる潮の水際に近いところが活性が高いことが多いです。活性が高いと、放っておいても筆を自分で穴の外まで出してしまう事もあります。
アナジャコ穴釣りで必要な道具
アナジャコ釣りには筆を多数用意していきましょう。筆の本数が多い方が、数多くの巣穴に差し込めますのでより多くのアナジャコを獲れる可能性が上がります。10本程度にして置いた方がよいでしょう。後は巣穴を掘るためのスコップやジョレン、持って帰るためのバケツや網も持って行くと良いでしょう。
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タカミヤ H.B concept 貝入れネット 角型
アナジャコのレシピ
アナジャコは、基本的には丸ごと食すことができます。非常に美味な食材で、代表的な食べ方はゆでて食す方法と唐揚げにする方法です。みそ汁に入れたりもしますし、地方では「しゃくみそ」と呼ばれる味噌漬けや、つけじゃくと呼ばれるしょうゆづけなどもあります。
塩茹で
塩ゆですると、エビやカニのように赤く変色して見た目にも非常においしそうになる塩ゆで。見た目通りの美味しさで、身はエビカニ類と同じく甘くて美味しいです。殻ともはがれやすくなります。味噌も濃厚で美味しいのですが頭部は泥が入っていることがありますので、注意してください。
味噌汁
アナジャコは味噌汁に入れても美味な食材です。入っているアナジャコ自体も、味噌の風味が相まっておいしいですが、甲殻類らしく、アナジャコの身から出るだしが味噌汁にも風味を付けて、味噌汁の汁もおいしくなりますので、非常におすすめな調理法です。
唐揚げ
唐揚げの良い所は、なんといっても殻ごと食すことができるところ。殻と衣の香ばしさとしょっぱさが、身の甘さより引き立ててくれますので非常においしく、おすすめの調理方法です。殻ごと食べれるという事は、栄養面でもカルシウムなどを多く摂取できますので、そういった面でも唐揚げはおすすめの調理法です。
旬はいつ?
アナジャコの旬は初夏から夏にかけてと言われており、大体5月から7月の間です。食味が良いという事ももちろんありますが、潮干狩りの時期と重なりますので、採取しやすいという理由もあります。
アナジャコの飼育
アナジャコの飼育には、まず巣穴で生息するので、巣穴を作る環境が必要です。同じ泥砂質の底が用意できればいいのですが、ない場合は砂に牡蠣殻などを混ぜて代用できます。巣穴と同じ太さの塩ビパイプ等でも代用できる場合もあるようです。エサはザリガニ用等の沈むエサであれば何でも大丈夫です。
潮干狩りでアナジャコを獲ろう
いかがでしたでしょうか?アナジャコは潮干狩りの時期に採取することのできる非常に美味な食材です。しかも、採取する方法は非常に簡単、かつ簡単に手に入れる事ができるものだけで獲ることができる非常に魅力的な食材です。潮干狩りに行く際は、アナジャコ採りも家族で楽しまれてはいかがでしょうか?